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執筆者の写真Miyu Kuroki

片田村の英雄と呼ばれた人

すごい人を知ってしまった。

その人の名前は、伊東里きさん。明治〜昭和の時代を生きた女性だ。

明治生まれの里きさんは、風光明媚な土地として名高い三重県志摩市の方。

初めは私と同じ三重県民や〜ぐらいの出会いだったのだけれど、里きさんの行動力がすごい。


東京でたまたま「アメリカ」に興味を持った里きさんは、アメリカ人家庭でメイドとなる。

明治時代に、若い女性が「アメリカ人家庭でメイドになる!」ということはどれほどのことであっただろうか。


さらには、メイドとなったアメリカ人家族に同伴して渡欧。数年後、アメリカ人の夫との間に生まれた娘を伴って故郷へ帰った里きさんの姿に人々は驚嘆した。


洋服姿にハイカラな話し方。そして未知の国・アメリカの話。

人々は里きさんの姿に魅了され、「真面目に働けば富を築ける」アメリカに憧れた。


里きさんはアメリカで働くことを希望した数人の同郷人を連れて帰米。明治28年のことであった。


アメリカに渡った日本人たちは故郷へ送金を始める。その額に、故郷の人たちははたまた感嘆した。

故郷の村ではその富に憧れて里きさんを頼り渡米する人が急増。いつしか村は「アメリカ村」と呼ばれるようになった。


里きさんの興味を持ったことにグッと入り込むその魂胆、行動力に、時代を超えて気迫さえ感じる。

そして日本人移民の歴史に、現在取材している技能実習生の方々の姿が重なる。


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