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執筆者の写真Miyu Kuroki

マダコ的生存技能実習生

コノワタ紫づ子氏、実は、「マダコ的生存技能実習生」なのです。


【マダコ的生存技能実習制度とは】

マダコ的生存技能実習制度は、マダコ的生存技能習得者が先進的マダコ技能習得者としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、マダコ的生存技能、マダコ的生存技術又はマダコ的生存知識のマダコ的生存技能開発途上者等への移転を図り、マダコ生存技能開発途上者等の生存力発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする。


十月上旬、コノワタ紫づ子氏は「マダコ的生存技能実習生」として一度目の実習を広島県の某離島にて行いました。そのレポートを私、黒木が聞き書きいたします……




コノワタ紫づ子デス。この度、マダコ的生存技能実習生として広島県の某離島へ実習に行ってまいりました。広島は十月でも暑いのなんのって。スラックスに肌着姿で店先をぶらぶらするおっちゃんがいるぐらいの気候でした。

この度ご教授いただくのはマダコ的生存技能習得者のNさん。外国人技能実習生として日本で働くインドネシアのお方。


Nさんとともに船に乗り約30分。瀬戸内海は朗らかでカラッとしていますね。いくつもの島を横目に見たのですけれど、どの島も高い山があって、斜面やわずかな平地に家がズラーっと建っている印象。山々は青く、渡る潮風が胸に清しいな…とうっとりするのも束の間、島に到着。早速実習は始まります。

Nさんは笑顔で「HALO!(インドネシア語綴り)」と誰かに呼びかけたり、お辞儀をしたりと忙しい。あの人はジャワ島中部地方出身の知人で、こちらはフィリピン出身の知人。この島は実に国際色豊かなのです。


初めにマダコ的生存技能として「タコツボ」を見つけるのが肝心。

これは拠点と申しましょうか、タムロスポットと申しましょうか。

これがマダコ生存には非常に肝心なのです。生存に欠かせないのは情報交換と息抜き。嫌なこともタコツボで墨のように吐き出しましょう。


わたくしは「タコツボ」としてある喫茶店を発見しました。浜風がよく通って、自家製ジュースが凄まじく美味しい。これが島の魔力というものなのでしょうか。しかし……お金がない!!

これでは力うどん一杯ほどのお値段のジュースをみすみす飲むわけにはなりません……(カナシイ)


それでは、マダコ的生存技能習得者Nさんの「タコツボ」を拝見しましょうか。

Nさんの「タコツボ」はコンビニの外に設置された椅子と円卓。そして桟橋。

なるほど、夜におしゃべりしても、音楽を流しても怒られない。そして現在、コロナ禍においても比較的安全な屋外である。おまけに、少しの投資で居座れる「タコツボ」である。むむ、ウマイ。


そして、「タコツボ」でもし隣のグループが同郷人らしかったら、ぜひ声をかけてみましょう。

マダコ的生存技能において、ヌルッと他人の懐に入り込むのは非常に肝心。

Nさんから見た外国人(日本人やインドネシア以外出身の技能実習生)とのトラブルの際、同郷人に助けを求められたり、求めたりすることもあるのです。

街で見知らぬ同郷人を見かけた際にも挨拶を交わします。

実際、Nさんにはこのように出会った友人もあるのです。


マダコ的生存技能において、同郷人の結びつきは非常に大切。その一つの形(そして娯楽)として「アリサン」があります。

「アリサン」とは日本語で「講」のこと。グループを作り全員から一定のお金を集め、定期的に行われるくじ引きで当たりを引いた人が全部のお金をもらえる。またお金を集め…という繰り返しなのですけれども、これは一巡すれば必ず遅かれ早かれ全員がお金がもらえるのです(そして貯蓄と変わらない)


しかし「アリサン」は貯蓄よりも早くまとまった現金を手に入れる(かもしれない)手段として、またはギャンブルのような娯楽性と集まって食事を取ったりおしゃべりを楽しむ場としても機能することから、インドネシア人マダコ的生存技能習得者に愛されているのです。

Nさんを始め、同じ地域に暮らす若いインドネシア人マダコ的生存技能習得者のコミュニティーのなかでも「アリサン」は行われ、親しまれています。


まだまだ話したいことはあるのだけれど、今日はここまで。

次回はもっとわたくし自身のこともお話しできたらイイナ……

それでは!



コノワタ紫づ子&黒木美佑

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