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すっ転んでピンク髪(と、ネパールカレー)

 

 


 生活を凝視してみれば、なんと色彩と起伏の豊かなことだろう。私自身の生活もそうであるし、他者の生活も、それぞれの悲喜や生きていく知恵に満ちていてとても滋味に富む。

 しばらく寝込んでいた。というのも、もともとの持病で気持ちがひどく沈んでドン底の心地だったのだ。いつもの街に居るはずなのに、ここがどこか分からない。なぜお金がなくなるのか分からない。嫌だ。息したくない。そんな一週間二週間であった。食欲があるだけ幸いだよ、という言葉を思い出しながらとにかく食った。いつもは頼まない大盛りラーメンやカツカレーなんかを食べてみたりして、「滋養」の二文字を胸に生き抜いた(といっても過言でないほど悲壮な戦いだったの!)

 なんとなく、人間は光明を求めて手を伸ばしてゆくものなのかもしれない。気持ちのドン底、地獄の釜の底で煮崩れるような心地にあるとき、いっそこのまま生きてゆくならピンクの髪で生きようと思った。髪色ならいつでも黒く出来るし。そのままイオンでブリーチ剤と真っピンクの染髪剤を購入。二時間後には微妙にピンクの髪を手に入れた。中学校のとき憧れた東京の女子みたいに髪の毛を二つのお団子に結ってみたりして、可愛い。なんだかカレーが食いたいかも。そのまま友達とチャリでネパールカレー屋に直行。ネパールカレーと謎の漬物を食べながら、先日勢いで遺書書いちゃったけど生きられてよかったーだってカレー美味しいもの、なんて半泣きで話したら、ホントにそうだよ、なんて喜んでくれる友達もいて、髪いいじゃん、なんて話してちょっと元気に帰って寝た。次の日も、その次の日もまたグズグズに気持ちがズタズタだったけれども、会議もバイトも、全て行けなかったけれども鏡をみればちょっとピンクの私がいる。あれ、内定もらったの?と幾たびも聞かれるけれど決まってません!とりあえず、今は小休止の意気込みのピンクヘアーなのです。ちょっとばかり自分を労わろうと思います。

 髪をピンクにするなり、いつもより多めにご飯を食べてみるなり、これもちょっとした「生き抜く知恵」のようなものなのかなあ、と思う。そう思いながら、ちょっと元気になったのでカラフルマスク作りに精を出している。顔面に鮮やかな色彩があったら印象が変わるかな、なんて思って。ピンクの髪にカラフルマスクにすると自ずと作品のカラフルにしたいなあ、と思う。今イメージしているのは、ピンクの照明の中カラフルなヤグラの上で私が茶碗山盛りの米を食べるパフォーマンスをしている様子!カザフスタンのご家庭のインテリアが柄に柄!みたことない色!で超キュートなのでそんなイメージで行きたいな……とぼやぼや思っています。みなさまもお体を大切に!

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